2022年9月14日(水)に開催した「中山間地域医療とデジタル化の可能性」のイベントでは専門の方に様々なお話を伺い、課題と可能性について新しい学びを得ることができました。その中で、参加者の多くの方から「幾つかのテーマについては地域みんなの協力で進めることもできるのではないか?」「私たちが今からでも何かできることはないだろうか?」という意見が出てきました。例えば、地域医療情報の公開や、介護の人材不足の対応、患者と医師双方へのデジタル化のサポートなどです。また、医療周辺領域における新しいビジネスの可能性もありそうでした。
今回のお話会は、中山間医療の課題について「もっと話したい!」「もっと学びたい!」「何かアクションを起こしたい!」という熱い思いを持つ方々が集まり、それぞれの体験談を交えながら今後の中山間医療のあり方について意見交換をしました。
参加者は、前回の「中山間地域医療とデジタル化の可能性」で対談者として来てくださった石橋了知さん、鐘江康一郎さんの他、藤野地域の医師や看護師、ソーシャルワーカー、介護福祉関連や医療財団関連にお勤めの方、子育て世代の方や介護を実際にされている方など、会場11名、オンライン5名の多岐にわたる方々が参加され、このテーマへの関心の高さが伺えました。
話題としては、この近辺には産婦人科がなくて出産に不安があることや、乳幼児期の一番病気や怪我の心配が多い時期に近くに緊急対応してくれるところがない不安、すなわち子供を産んで育てるには向いていないエリアだと感じているという意見、どこの病院や科に行けば良いのか分からない時に一箇所でアドバイスをしてくれる診療所やオンラインで診察相談ができる仕組みがあれば良いのに、など出産育児に関する意見が多く出ました。
また、介護に関しては、地域の大人全員がヘルパー研修を受け、ヘルパー技能を持って地域で助け合えるようにしたら良い、という意見や、介護が必要な遠方に住む親を見守るため自分でセンサーなどを購入して設置し、プライベートを守りつつ親の状況を把握するシステムを自力で作っている方もおられ、是非やり方を教えて欲しい、など、参加者の方同士での意見交換がとても盛り上がりました。
今回のお話会を通して、中山間地域医療には多岐に渡る課題が多くあることを改めて知ることができたと同時に、多くの地域の方々がそこに問題意識と解決のためのアイデアをお持ちだということ、そして、地域の人たちで知恵と力を合わせれば、この課題のいくつかは解決することができるかもしれないと感じました。
森ラボでは引き続き、このテーマについて取り組んでいきたいと考えています。
次回のお話会にも多くの方のご参加、お待ちしております。