相模原市地域おこし協力隊の中島竜馬は、森ラボの夏休み子供企画として2024年7月25日〜8月22日の全5回にかけて「電子工作クラブ」の先生を行いました。
近年、急激なテクノロジーの発展や、IoTの普及などで電子機器がより身近となった背景から、小学校のプログラミング教育が必修科となるなどプログラミングに需要が出てきています。また、これからのビジネスや起業などにおいても、テクノロジーは重要なテーマだと考えており、子どもの頃からその楽しさに触れることで、地域での起業の可能性を広げたいという意図もあります。
今回の電子クラブの先生である中島は、中学校のロボット部で二足歩行ロボットコンテンスト(通称ロボコン)の都大会2位を獲得。その後、サレジオ高専機械電子工学科にてロボットや電子回路について学び、株式会社ワコムにて組み込み系システムエンジニアとして勤めた経験があり、電子工作について長けています。
これらの背景を加味して今回は小学生〜中学生を対象にプログラミングを使った電子工作クラブを実施することとし、合計で4組のご家族が参加しました。
第一回目の説明会では、コンピューターとはなにかを説明し、さっそく電子工作に挑戦。Micro:bitという小さなコンピュータを用いて「テルミン」という電子楽器を作ります。Micro:bitは小学生でも簡単にプログラミングができます。パソコンのブラウザ上でプログラミングし、ケーブルでMicro:bit本体と繋いで書き込むだけです。全員30分ほどで思い通りに動かせるようになりました。
残りの4回は、各々で事前に決めたコースに沿って電子工作を進めます。
小学4年生である男の子2人は、ライントレーサーロボットを制作。Micro:bitの拡張キットであるモーター付きロボット「Micro:Mcqueen」を組み合わせて作ります。このロボットには様々なセンサーが付いており、よりレベルの高い制御をすることができます。プログラミングの見本がインターネット上にあるので、まずはコピーアンドペーストをして遊んでもらい、その後はそのプログラムの内容を理解しながら自分なりに制御してもらいました。最終的には壁を避けたり、黒い線の上を走らるなど、思い通りに制御できるようになりました。また、ライントレーサーの競争をして楽しむこともできました。
中学2年生の女の子は、鶏小屋の自動開閉機を制作。これまで趣味で3D CADを用いた滑車や歯車を作ったことがあり、今回はそれを使って自動開閉機を作りたいとのことでした。まずはMicro:bitを使って大きなモーターを制御するために、モーター専用の電池ボックスやモータードライバーや取り付けます。次に「朝明るくなったら開き、夕方暗くなったら閉まる」というプログラミングを書きます。かなり高度なプログラミングなため、紙にまとめながら着実に作りました。3回のみの参加だったため制作途中で終了しましたが、あとは滑車と一緒に鶏小屋に取り付ければ完成です。
中学3年生の男の子は、キットを使わないオリジナルロボットを制作。現在、学校で宇宙学を学んでいるということで、宇宙で走れるロボットをイメージして作ることに。拡張性の高いコンピュータを使って制御をしたいということで、よりプログラミングも電子工作も難易度が高いものに挑戦しました。ハンダゴテを使ってモータにケーブルを取り付けたり、様々なセンサーをつけて制御して、オリジナルのロボットを制作しました。
今回の電子工作クラブを通して、子どもたちの論理的思考力が身に付いたなと感じる時が多々ありました。特にプログラミングの内容を説明できていたときには驚きました。また、遠方からの応募がいくつかあり、改めて電子工作やプログラミングに需要があるなと感じると共に、今後も機会をみて、継続して開催したいと思っております。