2023年10月13日(金)19:00~20:30に森ラボで「子どもの発達支援 お話会 ~家庭と学校の連携を進めるためには~」が開催されました。合計11名の参加者と共に、子どもの発達に関心が集まる昨今、当事者、関係者等が集まり、意見交換や質疑応答を行いました。
今回はテーマでもある「家庭と学校の連携」を中心に話題が展開しました。発達に困難を抱える子どもは家庭、学校(特別支援学校、特別支援学級、通常級を含む)、学童、放課後等デイサービスといったさまざまな場所で生活をしています。しかし、そうした場所ごとに十分な連携がなされていないといった課題感が共有され、どうしたらそれを解決できるか、を議論しました。
このプロジェクトの主催者である五十嵐さん(NPO法人ぴあっと代表理事)は、支援学級でも先生の対応にばらつきがあると話し、頻繁に教員の交代がある制度や教員間の連携に疑問を投げかけていました。発達に困難を抱える子どもを療育する保護者や関係者は、そうしたバッググラウンドの一例として、支援学級と支援学校の差を挙げ、前者は個人で子どもを見ており、後者はチームで子どもを見るという姿勢があると指摘していました。支援学級に子どもを通わせている親御さんは、「先生が変わると、とても心配になる」と声を挙げており、教員間での子どもに対する向き合い方の差はとても大きいものであるとも言えます。
とりわけ、子どもに対する接し方に疑問があっても、クラスの担任教員には他の教員よりアドバイス等が難しい雰囲気もあるとの指摘があり、教員ごとの接し方や考え方は大きく異なるものであり、介入の方法も考慮しないといけないと推測できます。
それでは、家庭と学校の連携を進めるには、どういった手立てがあるのでしょうか。参加者のひとりは「まずは傾聴することが連携への第一歩」だと語っていました。教員と家庭は相反する関係ではなく、共に歩んでいく仲間であることをお互いが理解することが大事という趣旨です。また、発達に困難を抱える子どもに関係する関係者間の情報共有を進めていくのは必須という意見も出ました。
子どもの発達に関心が集まるなか、2012年の「障害者総合支援法」制定を皮切りに、政策や制度は充実の方向に向かっていますが、まだまだ課題は山積しており、現場の声を政策や制度に反映する取り組みが必要だと感じられました。