・相模原市緑区における地域おこし協力隊とは
相模原市は10月2日付で地域おこし協力隊2名を委嘱しました。地域おこし協力隊は、都市地域より過疎地域等へ住民票を異動し、移住した上で、さまざまな「地域協力活動」を行う制度です。
相模原市は、7月より2ヶ月間にわたる公募および選考の結果、相田直樹さん、中島竜馬さんを委嘱しました。相田さんは主に医療介護福祉領域や中山間地域の暮らしやすさを向上させるライフスタイル領域、中島さんは主に中山間地域でのビジネス領域や農林業の活性化の領域で活動します。
2名は、森のイノベーションラボFUJINOを拠点として、津久井・相模湖・藤野地区の中山間地域をフィールドにさまざまな活動を進めていきます。特に、地域のICT化支援には力を入れて活動してまいります。
津久井・相模湖・藤野地区には地域ごとに異なる課題があります。その課題自体や課題に関係する関係者に丁寧に向き合い、真摯に活動を進めていきたいと思っております。津久井・相模湖・藤野地区にお住まい、あるいは関係する皆様には、今後2名が伺う機会が増えるかと思います。その際は、どうぞよろしくお願い申し上げます。
・ご挨拶(相田 直樹)
わたしは大学や大学院等で、主に医療介護福祉領域の政策研究に取り組んできました。このたび、ご縁があり、相模原市緑区の中山間地域で活動することとなり、研究と現場の往復をしつつ、地域がよりよくなる活動に取り組み、成果を出せるよう努めていきたいと思っています。幼いころは相模川や道志川で鮎釣りやヘラブナ釣りに親しんだ経験もあり、相模原市とは浅からぬ縁を感じています。初夏のスイカの香りがする鮎がたくさんいる相模川が懐かしく思い出されます。現在の中山間地域における医療介護福祉の課題は、我が国が未だかつて経験したことのない人口減少社会に突入しつつある「未来の日本の課題」そのものです。人口減少社会はヒト・モノ・コトの「持続可能性」を危うくします。そうした「持続可能性」の課題には、いわば「魔法の杖」はありません。一筋縄では解決できず、課題のひとつひとつに対して地道な課題解決の努力が必要だと感じています。これまでの自分自身の経験や知識を活かしつつ、そうした中山間地域のライフスタイル領域、具体的には医療介護福祉、交通、買い物支援といった課題解決をサポートしていきたいと思っています。殊に、そうした医療介護福祉、交通、買い物支援といった課題は、個別ではなく、一体として捉える必要があります。地域にあるさまざまな課題に対して真摯に取り組み、少しでも良い方向に進めていければと考えています。
・ご挨拶(中島 竜馬)
わたくしはエンジニアとして勤めた後、2年間ほど世界中を旅してきました。旅先での経験を通して、現在の日本社会はとても深刻な状況にあると痛感しました。特に、少子高齢化や経済の衰退などに伴い、里山・空き家・廃校が活用しきれていないことは重要な課題です。そのため、わたくしは相模原市の中山間地域で主に空き家対策や里山保全に取り組み、次世代に向けた新しいデザインの地域社会を構築したいと考えています。そして、この中山間地区の取り組みが全国に広められる良いモデルとなることを目指します。
・経歴
相田 直樹(あいだ なおき)
1993年神奈川県横浜生まれ。2012年に慶應義塾大学 総合政策学部へ入学。当初はまちづくりに興味があったものの、とかく複雑な医療政策を軽妙に語る先生に魅了され、研究の道へ進む。2016年に慶應義塾大学 総合政策学部を卒業(学士:総合政策学)、同年に慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 前期博士課程へ入学し修了(修士:政策・メディア)。修士課程在学中には、障害児童療育を行うNPO法人に勤務経験あり。修了後は、医学系書籍編集職を経て、一般財団法人 医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構 研究部にて研究職として勤務。現在は慶應義塾大学 政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。
趣味は、ダイビング(PADI認定ダイブマスター/プロ資格)、釣り(一級小型船舶免許保持/たまにボートを借り友人と釣行します)、旅行(国内に418島ある有人離島制覇に挑戦中)。
好きな言葉は「A Smooth Sea Never Made a Skillful Sailor.(穏やかな海はよい船乗りを育てない。)」
中島 竜馬(なかじま りょうま)
1998年大阪生まれ、関東育ち。田舎と都会を行き来するデュアルライフを幼い頃から経験し、田舎の大切さを知る。親のエンジニアの仕事の影響を受け、2014年にサレジオ工業高等専門学校 機械電子工学科へ入学。卒業後、株式会社ワコムでシステムエンジニアとして勤務。仕事を通して、高度すぎる専門職やデジタルデバイスの進化の頭打ちに対して将来性がないと感じ、退職。その後、2年間ほど世界中を旅し、様々なコミュニティーを巡る。現在は、都心在住の方を対象に田舎で「自立共生」を学べるコミュニティーを作りたいと考えている。
趣味は、DIY(モバイルハウス作り)、創作活動(絵画・ヒューマンビートボックス)、アウトドア(キャンプ・登山)。特技は、たこ焼きを焼くこと。
好きな言葉は「Be Present (今に生きる、今を感じる)」